AC/DC “Back In Black” Review By Angus Ogawa
世界的に超有名なこのアルバム。
何しろ総売上約4900万枚、世界で3番目に売れたアルバムなのですぜ!
まずは出会いから書いていかないとですね。
このアルバムと僕が出会ったのは2000年6月でした。
俺は高校1年生。
まさに青春真っ盛りで、ハードなロックンロールに首ったけ。
お小遣いは全てCDや楽器とロックアイテム(煙草。←おいおいw でも酒は飲めなかったw)につぎ込んでいたとさ。
そんな、純でウブなワタクシに刺激的なパフォーマンスで魅せてくれたAC/DC。
たまたまTVでボン・スコットがいたころのAC/DCを見てて大興奮。(1977年のHippodrome Golders Greenで行われたライヴ)
そのライブを見た翌日に、学校の洋楽ファンT氏に報告。そうするとすかさず
「ボンより、ブライアンのときのがスゲーからBACK IN BLACKを聴けよ。」
と言うのでした。
なるほど、そうだったのか。(今思い返してみると、何を持ってスゲーといったのか。それは、歌声の分かりやすさを言ってたんじゃないかなと思います。)
そして、何も疑わず放課後に、地元の横浜石川町のタワレコまで行ってアルバムを購入したのでした。
買ったCDを早く聴きたくて、ウズウズしながら、タワレコから実家まで歩いた20分は、
今でもよく覚えています。
でも、Back In Blackを聴いた瞬間、イメージしてた音と違っていてビックリしたことを覚えています。
Let There Be RockやWhole Lotta Rosieみたいな爆走ロックンロールを期待してたんですが、
いきなり鐘の音で、あの重々しい空気で始まるんだから(笑)
しばらくは一緒に買ってきてた、Ramonesのアルバムばっかり聴いてましたww
Back In Blackの良さが分かってくるようになるのは、高校3年生ぐらいになってからでした。
AC/DCの音楽ルーツや、彼ら自身のバックボーンを知ってくると、尚更このアルバムの魅力を深く理解できるようになります。
最初から、Back In Blackを好きにならなかったという、若気の至りではあったけど、今となってはいい思い出です。
さて、このアルバム、内容はもちろんピカいちですが
重厚感あるジャケットでいいですよね。
AC/DCのジャケットって、印象的なものが多いのですがここまでインパクトの強いジャケットはないです!
喪に服すかのような完全黒バックに、白色のバンドロゴと”BACK IN BLACK”だけという、超絶シンプルイズベストなデザインです!
ボンを追悼するという意向が表れています。
内容は、言葉では言い尽くせないぐらい深みがあって、素晴らし内容だと思います。
AC/DCのイメージって、とことん明るく分かりやすい楽しいロックンロールバンドって気がしますけど、
しかし、このアルバムだけは違います。
「ダークさ」
「重厚さ」
「雨露後の湿っぽさ」
この3つの要素が絶妙に絡み合っていて、Back In Blackには、他のバンドでは絶対マネできない重厚感があります。
AC/DCのスタジオ・アルバムの中で唯一、影のあるアルバムだとワタクシは思っていて、
そのダークな質感から異質な内容ではあるものの、彼らの代表作となっています。
前作Highway To Hellの勢いで、いよいよ世界的ブレイクかと思われた矢先に亡くなってしまったボン・スコットへのレクイエムとも言えるこのアルバム。
M1. Hells Bells
うーん。鐘の音にヤられるぜー!
AC/DCのギターサウンドは、クランチサウンドなんだけど、ブライアンの当時のパワフルでナイフで斬りつけるような鋭さも兼ね備えていたのもあって、メタリックです!
タメの効いたアンガスとマルコムの重厚なギターリフ、どっしり構えたクリフのベースと独特で唯一無二のリズムキープをするフィル。70年代の音と比べて明らかに重く、ダーク。
アルバムのファーストトラックになぜこれを持ってきたか?それはもちろんボン・スコットへ捧げるためでしょう。
M2. Shoot To Thrill
冒頭のアンガス『行くぜ!』と言わんばかりのリフから、追いかけて煽り立てるようなマルコムのリフ。2人の息の良さがとても分かりやすい。
疾走感をキープしつつ、重戦車が突撃してくるような迫力とテンションが印象的!
曲のラストに繰り広げられる、アンガスのギターとブライアンのシャウトの掛け合いは、いつ聴いても気持ちが高ぶりますね。
M3. What Do You Do For Money Honey
ギターリフが相当な熱量で、心に迫ってくる感じがします。サビのシンガロングで『マァァネェェ!!』『ハァァネェェ!!』と展開しますが、
ここは本当に一緒に叫びたくなります!普段、AD/CDでは、コーラスはシモさん(Cliff Shimoda)とシンちゃん(Malcolm Takagi)に任せてますが、ここは一緒に歌いたいなぁ〜って思いながら弾いてます(笑)
M4. Givin’ The Dog A Bone
イントロの助走をかけて、突進して行くような感じの表現が素晴らしいですね。このリフ、超絶シンプルでありながら、各パートのフックのかけ方に特徴があって、ごく自然に身体に入ってきますが、実際演奏してみると難しかったり・・・実は緻密に計算して作ってるように感じます!
この曲全般的に入ってる、ブライアンとコーラスの掛け合いがたまらないですね!曲が進むに連れて、掛け合いは更に激しくなって、アンガスがしっかり曲をシメてくれます。ボーカルのJohnから教えてもらって気づいたのですが、このタイトル、かなり卑猥らしいです(笑)…それを連呼してるんだけど…世界で3番目に売れたアルバムは伊達じゃない!!!!
M5. Let Me Put My Love Into You
いやー、この曲はいつ聴いてもぶっ飛びます!!なんというか、ものすごく意表を突かれた感じです。ダークなアルバムに感じる要因の一つかもしれないこの曲。
Highway To Hell収録のTouch Too Muchを進化させたように感じるんです。今度は、もっとマイナーコードを駆使して。
コーラスになると、D・A・Eの3コードだけ。ん?よく考えたらこの曲はマイナーにチェンジすることはあっても、基本はこの3コードだけだ・・・なのにこのドラマティックさ。AC/DC 恐るべし!!
ギターのリフがメロウだし、おそらく何重か重ねたであろうコーラスワークもキレイで、AC/DCらしくないテイストだけれども、AC/DCのセンスの高さを実感できる曲です。
M6. Back In Black
説明不要の名曲ですね!
8ビートかと思いきや、16ビートがベースになっているんだけど、キッチリ解析すると、あのウネリ感とか、エッジの効いた重厚感が表現できないんですよね。
適度にルーズで、適度にタイトな感じ…AC/DCグルーヴとでも言うんですかねぇ(命名)AD/CDでプレイするときも、細心の注意をしながら弾いてるけど、バンドで演ってて一番楽しく感じるのはこの曲かな。
そんなAC/DCグルーヴの真髄を体験できます!!
M7. You Shock Me All Night Long
なんてことでしょう、キラーチューンの後にもう一発、今度はロックアンセムと来たもんです。
RATTとか、PoisonなどのLAメタル勢がやっててもおかしくないなと思います。
この辺のアプローチは、ロバート・ジョン“マット”ランジがプロデュースすることによって生み出された、洗練された表現とでもいうのでしょうか。highway To Hellを更にメロウでキャッチーに、そして強力なシンガロング。このタッグがあったからこそ、AC/DCのキャラクターが確立できたのではないかなと思います!実際にライブでプレイすると、特に米軍基地やバーなど、外国人が多い現場では激しくノッテくれて、最終的にステージに乗り込んでくるぐらい(笑)えらく盛り上がります。
M8. Have A Drink On Me
ボンスコットを追悼するという意味合いが一番強い曲ですね。ボンスコットは、酒が大好きで、ステージ前はウイスキーの瓶を2本空けてステージに上がってたとか??
いやー、すごいw しかも、アンガスやマルコムは、その光景を嫌がることはなく、むしろ逆に腹を抱えて笑うなど、えらく面白がってたぐらいだそうです。…ロックンロールバンドならではww
邦題“死ぬまで飲もうぜ” っていうのも、ダサカッコよくていい。
M9. Shake A Leg
イントロの助走をかけて、突進して行くような感じ第二弾!!爆走ナンバー!
しかも、テンポ的にはそんなに早くない。疾走感と重厚感が絶妙に重なり合ってます。
アンガスのギターソロのエキサイティングっぷりは、このアルバムの中でもひときわ目立ってます。
ブレイクから、ピックスクラッチ!!摑まされますww
ギターソロに誘われたかのようなブライアンのシャウトから、ラストまで一気にたたみかけて行きます!
M10. Rock n’Roll Ain’t Noise Pollusion
いいですねー、アンガスのギターが始まると、ブライアンがライターを着けてタバコに火をつける。
ベースのクリフが弾き出すスタッカート気味のフレーズが、アンガスとマルコムのギターリフの隙間から聴こえてくる。
これが独特のウネリ感を生んでいるように感じる。踊れるような感じ。
ダンスソングですね、程よいスピード。でも軽快ではない、飽くまで重厚感を保ったまま突っ走ってる。
そう、ダークでヘヴィなのだ。そして、ものすごくブルージー。
”ロックンロールはノイズじゃないぜ
ロックンロールは死なない
ロックロールはノイズじゃないぜ
ロックンロールは不滅さ”
Back In Blackは、最初から最後まで緊張感が途切れずに、一貫したダークさを放っています。
相反するように、サビのコーラスがコール&レスポンスになっていてキャッチーなため、ダークすぎずキャッチーすぎずなところでバランスを保っているように感じます。
このアルバム以降、90年代のBallbreakerまでの間、AC/DCは時代の流れからヘヴィーメタル的なサウンドメイキングへと変化していきます。ハードブギーを演る悪ガキ集団から、世界をダックウォークで駆け回るスーパーバンドへ遂に飛翔したことを証明したアルバムですね。
AC/DCは一貫した音楽スタイルを保って、ブレないところが何よりも魅力です。
でも、演ってることに、全く変化がないかというと、そうではなく、しっかりと進化していってます。
『分からないこと、出来ないことはやらない!』そういう潔さが根底にありながら、きっと『自分たちの分かる解釈で、演ったことのないような曲をプレイする』これは実践してたんじゃないかなとワタクシは思います。
なぜなら、Back In Blackは、バンドのそれまでの積み重ねが生み出した、それまでのAC/DCではなく、これからのAC/DCを作り上げて行くための異質のアルバムじゃないかと!